睡眠時無呼吸に多い症状

患者さんに睡眠呼吸障害(SDB)、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、または中枢型睡眠時無呼吸(CSA)の症状が出ているかどうかを見極めることは、非常に重要です。閉塞性睡眠時無呼吸に特に多い症状の1つにいびきがあります。しかし、多くの患者さんはいびきについて気に留めず、仮に気にしたとしても、深刻な症状であるとは思っていないことが少なくありません。

いびき以外に睡眠呼吸障害を示す症状としては、
以下のようなものがあります。

  • 日中の過度の眠気(EDS)
  • 集中力の低下
  • 起床時の頭痛
  • 気分の落ち込み
  • 寝汗

  • 体重減少
  • 疲労
  • もの忘れ
  • 性機能障害
  • 夜間多尿

患者さんにこのような症状がみられる場合には、SDBについて患者さんに説明し、睡眠検査を勧めるようにしてください。

しかし、これらの諸症状が必ずしも睡眠時無呼吸に関連して発症するとは限りません。診断を正確に下す必要があります。

小児の睡眠呼吸障害の症状

小児に睡眠呼吸障害の症状を認めた場合は、小児の睡眠に詳しい医師に紹介するか、小児の睡眠障害の有無を判定する睡眠検査を勧めるようにしてください。

睡眠呼吸障害は最大3%の小児1が罹患していると言われており、一般に以下のような症状が一般的に知られています。

  • 習慣性のいびき(小児の約3.2~12%1、2にみられる症状)
  • 大きないびき、または呼吸時の負担の増大
  • 呼吸の停止と、再開時の大きないびき
  • 慢性的な口呼吸
  • 多動や攻撃性など、行動面の問題
  • 睡眠不足

この他、小児の睡眠呼吸障害の素因となりうるリスク因子があります。代表的なものは以下のとおりです。

  • アデノイド・口蓋扁桃肥大
  • 頭蓋顔面奇形
  • 先天性の症候群(ダウン症候群、マルファン症候群、ピエール・ロバン症候群、軟骨無形成症)
  • 肥満

参考資料:

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  • Gislason T, et al.Chest.1995