IIRに対するレスメドの支援


レスメドは、睡眠呼吸障害(SDB)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、およびその他の慢性呼吸疾患の診断、治療、管理に役立つ各種の医療機器やクラウド型ソフトウェアアプリケーションを世に送り出し、人々の生活に変化をもたらしています。また、日々何百万人もの患者さんの遠隔モニタリングを続けるソリューションを提供しており、コネクテッドケア分野のグローバルリーダーでもあります。私たちは、高い技術力を誇る世界最高の医療機器会社となることを目指して日々取り組んでおり、これまで100ヶ国以上で生活の質の向上、慢性疾患の影響の軽減、医療費の抑制に貢献してきました。

世界中の患者さんに画期的な治療を届ける取り組みの一環として、レスメドは、適切な資格を備えた研究者が第三者として倫理的かつ独立して実施する臨床研究を支援しなければならないと考えています。研究者主導研究(IIR)は、レスメドの委託研究を補完するものとして重要であり、治療法の便益とリスクに対する理解を深めると同時に、新たな事業機会となりうる医療ニーズを把握するうえで役立ちます。しかし、そのためには、科学的・臨床的に有意義な目的を掲げ、患者さんの安全、福祉、およびプライバシーの権利を何よりも大切にした研究デザインであることが欠かせません。

多くのヘルスケア企業と同じく、レスメドも、堅牢なガバナンス体制と明確に定めたプロセスに基づき、IIRを資金面から支援しています。支援は、睡眠と呼吸に関する医療の分野で革新的なテクノロジーの発展を目指すレスメドのミッションに合致するプログラムを優先します。支援の形式は研究の種類によりますが、資金または機器(あるいはその両方)を提供する形となるのが大半です。

レスメドの主な関心領域としては、以下の分野が挙げられます。

  • 臨床経路の最適化による睡眠時無呼吸の診断と治療の利用促進および効率改善
  • CPAP療法の初期段階のコンプライアンスと長期アドヒアランスを強化するための画期的戦略(特に遠隔医療を活用したもの)
  • 睡眠時無呼吸とCOPDの治療の経済的価値を示す証拠
  • 携帯型酸素濃縮器(POC)の使用の臨床成績と生活の質への影響
  • 非侵襲的換気療法に関する科学的知識と患者経路に対する貢献
  • 患者さんの生活の向上(入院患者数の抑制、医療費の削減、増悪の有効な予測、生活の質の向上、治療に対する参加意欲の向上など)につなげていくための臨床データの活用方法に関する新しい知見

IIR提案書の提出

レスメドでは、研究者からのIIR提案書を受け付けています。提案書の審査は四半期ごとに実施します。提出締切日は、1月20日、4月25日、7月13日、10月18日です。審査はレスメドの臨床審査委員会が行ない、医学的・科学的メリット、利用可能なリソース、およびレスメドが研究に関して定めた優先順位に基づき、支援の可否を決定します。審査結果は、各提出締切日から2~4週間以内に文書にて通知します。提出いただいた提案書はすべて審査しますが、承認を確約するものではありません。提案書を提出するには、あらかじめIIRアカウントをご登録ください。詳細については、iir@resmed.comまでお問い合わせください。

FAQ

レスメドではどのように機密保持に対応していますか?

IIR提案書の所有権は、そのIIRを主導する研究者に帰属します。

提出したIIR提案書に第三者に帰属する資料が含まれる場合、IIRを主導する研究者は、そのような資料の使用に関して必要なライセンスと同意をすべて取得していることを保証したものとみなされます。レスメドはIIR提案書の機密を保持し、承認された場合にのみ公開します。申請書に含まれる個人情報はいずれも、適用されるプライバシー法に従って取り扱います。

研究提案書に関する知的財産権は誰に帰属しますか?

研究提案書の知的財産権は、そのIIRを主導する研究者に帰属します。テクノロジーまたは研究結果の知的財産権に関する詳細は、IIR提案書の承認後に締結するIIR助成契約書で定めるところによります。

どのような研究活動が支援の対象となりますか?

IIRの予算を提出する前に、研究関連の費用がすべて項目化され、適正な市価であることを確認してください。

レスメドでは、研究に直接的に関連する費用(被験者関連の費用、研究関連の人件費、診断費用やサービス、データの外部管理費用など)と間接的に関連する費用(IRBの審査手数料、設備費、消耗品費)のいずれが発生する活動についても、資金提供を検討します。

ただし、一般的な教育、研究に固有のものとは言えないトレーニング活動、組織の日常業務の一部を占める進行中の臨床プログラムのサポート、新しい臨床プログラムまたは研究プログラムの立ち上げまたは既存のプログラムの拡張、研究に関係のない資本設備または収益を生み出す資本設備の購入、施設の建設、研究に専従しないスタッフの採用に関しては、支援の対象になりません。通常は、研究での使用を想定してレスメドが提供した機器を使用した治療について、政府や民間の支払者が請求を受けることはないと、レスメドでは認識しています。

提案書にはどのような予算情報を記載する必要があるのでしょうか?

(1)研究予算の総額(データ管理費、研究スタッフの人件費、その他の資金源、統計専門家の人件費、募集資料に関する費用、IRBへの提出費用など)と、
(2)レスメドに対して(直接的な資金提供または機器の提供のいずれかの形式で)支援を要請する金額の両方を記載してください。この情報は、レスメドが研究の成功に必要な費用の総額や、どれだけの金銭的貢献が必要であるかを明確に把握するために役立てられます。

提案した研究が承認された場合、研究を開始する前に提出が必要なものは他にありますか?

IIR提案書の承認後、支援(機器または資金、あるいはその両方の提供)を開始する前に、いくつかの文書を提出していただきます。必要な文書は次の通りです。

確定した研究プロトコルと同意説明文書
確定した研究プロトコルと同意説明文書に対するIRB/倫理委員会の承認通知書
レスメドとの間で締結するIIR助成契約書(署名が必要です)

承認後は、レスメドに対してどのような責任を負うのでしょうか?

レスメドが自己に対する規制要件を順守できるよう、特に指定のない限り、少なくとも四半期に1度、研究の最新状況を報告してください。最新状況の報告には、登録者数、機器関連の有害事象(AE)、プロトコル逸脱、論文発表と研究完了の予定日に関する情報が必要です。レスメドに対する安全性情報の提供に関する追加要件については、次のセクションで詳述します。また、研究の開始後にプロトコルを変更した場合は、迅速にレスメドに通知する必要があります。

IIRを実施する研究者は、最終的な研究結果の報告書をレスメドに書面で提出する必要があります。研究の発表またはプレゼンテーションの予定がある場合には、IIR助成契約書に従い、投稿、提出等に先立ってレスメドに送付しなければなりません。研究が終了した後は、確かに研究を実施したこと、レスメドが拠出した資金または機器(あるいはその両方)を研究の実施または報告のためにのみ使用したこと、および安全性と規制当局に対する報告に関する義務がすべて満たされたことの証明が必要になります。未使用の資金や機器がある場合には、研究の終了後90日以内にレスメドに返却してください。

研究中に観察された安全性に関わる事象を報告する責任は誰が負うのでしょうか?

安全性に関わる事象が発生した場合に、その事象を国および地方自治体の規制要件に従って地域の規制当局(FDAなどの管轄当局)またはIRB/倫理委員会に報告する責任は、IIRを主導する研究者または研究実施機関(あるいはその両者)が負います。

レスメドには、リスクと便益のプロファイルを完全に把握し、規制当局、医師の方々、患者さんのいずれにも正確な安全性情報を提供できるよう、研究対象および上市済みの製品に関する安全性情報を収集および分析する倫理的・法的責任があります。レスメド製品が関わる研究を主導する研究者は、研究を監視し、安全性に関わる重要な事象をすべてレスメドに報告するという点において、重要な役割を担っています。

レスメド製品が関わる研究を主導する研究者は、レスメドが規制当局に対する書類提出義務を順守できるよう、少なくとも四半期に1回、レスメド製の機器に関連する有害事象の累積リストをレスメドに提出する必要があります。このリストには、研究の開始以降に発生し、機器に関連する有害事象をすべて記載しなければなりません。

レスメドには、現地の法律、医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)、および臨床試験の安全管理に関する各種の指針に従い、機器に関連する有害事象の報告の必要性を評価する責任があります。IIRを主導する研究者または研究実施機関(あるいはその両者)は、機器に関連する有害事象について必要なすべての情報を、できるだけ速やかにレスメドに報告する責任を負います。

IIRを主導する研究者または研究実施機関(あるいはその両者)は、AEまたはSAEをレスメドに報告しても、関連する国および地方自治体の規制に基づきFDAなどの規制当局またはIRB/倫理委員会に事象を報告する義務を免れるわけではありません。

IIRを主導する研究者にはどのような責任が発生しますか?

IIRを主導する研究者または研究実施機関(あるいはその両者)は、医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)のガイドライン規定と、現地政府および規制当局が定めるすべての要件に従って研究を実施する必要があります。また、規制順守に関する責任はいずれも、IIRを主導する研究者の負担とします。これには、IRB/倫理委員会からの承認の取得、インフォームドコンセントの取得、規制当局の承認の取得、および規制当局とレスメドに対する報告義務の順守を含みますが、これらに限定されません。

レスメドによる資金提供を受けた研究の結果を発表することはできますか?

レスメドは、研究結果がレスメド製品に有利なものであるかどうかに関わらず、研究結果の発表を奨励しています。発表にあたっては、医学雑誌編集者国際委員会などが規定する、出版および著述に関する広く認められた倫理基準に従ってください。レスメドは論文の草稿を最初にレビューする権利を留保します。

研究を公共のウェブサイトに登録する必要はありますか?

研究者または研究実施機関(あるいはその両者)は、掲載の要件を満たしている場合、FDAのclinicaltrials.govのデータベースまたは研究を実施する国の臨床研究登録ウェブサイトに研究を登録する必要があります。

いわゆる「補償」については、どのようなことを知っておく必要がありますか?

研究実施機関にはレスメドに対する補償が求められます。詳細はIRR助成契約書をご確認ください。

レスメドが私の研究のために拠出した資金を開示することはありますか?

レスメドは上場企業として、研究者や研究施設との金銭的関係の透明性確保に努めています。そのため、必要があればIIRに関連する資金拠出状況を公表することがあります。